出産後に歯がぐらぐら・しみる?産後ホルモン変化による口腔トラブルの真実
出産後に「歯がぐらぐら・しみる」と感じている方へ
抱っこや授乳中に気づく、歯の違和感という不安
出産後、赤ちゃんを抱っこしているときや授乳中、
ふとした瞬間に「歯が浮く感じがする」「噛むと違和感がある」
「冷たい飲み物で歯がしみる」といった変化に気づき、不安を感じる方は少なくありません。
妊娠・出産という大きなライフイベントの後は、体調の変化が次々と現れるため、
口の中の異変に戸惑うのは自然なことです。
特に産後はホルモン変化の影響で歯ぐきが敏感になりやすく、
これまで問題を感じなかった歯がしみる、
歯がぐらぐらするように感じることがあります。
しかし、多くの方は
「育児疲れのせい」「一時的なものだろう」と考え、
不安を抱えたまま様子を見てしまいがちです。
この違和感は、体からの小さなサインである可能性もあり、
正しく理解することが安心への第一歩になります。
「このまま歯が抜けるのでは?」という恐怖
産後に歯がぐらぐらすると、
「将来、歯が抜けてしまうのではないか」
「もう元に戻らないのでは」と、強い恐怖を感じる方もいます。
インターネットで
「産後歯がぐらぐら」「歯がしみる」と検索すると、
歯周病や歯の喪失に関する情報が目に入り、
不安がさらに膨らむこともあるでしょう。
確かに、産後のホルモン変化は歯ぐきの炎症を起こしやすく、
歯周病が進行しやすい時期と重なることがあります。
ただし、「ぐらぐら=必ず歯が抜ける」というわけではありません。
実際には、一時的な歯ぐきの腫れや噛み合わせの変化、知覚過敏など、適切なケアや診断によって改善が期待できる状態であることも多くあります。過度に最悪の結果を想像するよりも、原因を冷静に整理することが大切です。
忙しさの中で歯科受診を後回しにしてしまう現実
出産後は、昼夜を問わない育児や体力の回復で精一杯になり、
自分のことはどうしても後回しになりがちです。
「歯医者に行きたいけれど時間がない」
「赤ちゃんを連れて行くのが不安」
「この程度で受診していいのかわからない」
そう感じて、歯科受診を先延ばしにしてしまう方も多いでしょう。
その一方で、
歯がしみる、歯がぐらぐらするという症状が続くと、
不安は心の中に積み重なっていきます。
産後の口腔トラブルは、放置すると症状が長引くこともありますが、
早めに歯科医師に相談することで、
必要以上に心配せずに済むケースも少なくありません。
忙しい時期だからこそ、
無理のない形で専門家に相談する選択肢があることを知っておくことが、
安心につながります。
産後の体に起こっている変化を知ることから始めましょう
妊娠・出産で大きく変動するホルモンバランス
妊娠中から出産後にかけて、女性の体内ではホルモンバランスが大きく変動します。
特に妊娠中に増加していたエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンは、出産を境に急激に低下します。
このホルモン変化は、子宮の回復や授乳に向けた体の準備として自然なものですが、
同時に歯や歯ぐきにも影響を及ぼすことが知られています。
エストロゲンは、歯ぐきの血流や組織の代謝に関与しており、
分泌量が変化すると歯ぐきが腫れやすくなったり、刺激に敏感になったりすることがあります。
その結果、
「歯がぐらぐらする感じがする」
「今まで平気だったのに歯がしみる」
といった症状を、産後になって初めて自覚する方も少なくありません。
産後の歯の不調は、決して珍しいものではなく、
体全体の変化の一部として起こっている可能性があることを、まず知っておくことが大切です。
産後の体調変化と口腔トラブルの関係
産後はホルモン変化だけでなく、睡眠不足や栄養バランスの乱れ、強い疲労など、
体にとって負担の大きい状態が続きやすい時期です。
こうした体調変化は、免疫機能にも影響を与え、
歯ぐきの炎症が起こりやすくなったり、歯周病が進行しやすくなったりする要因になります。
また、授乳や育児によって食事の時間が不規則になったり、
歯みがきが十分にできない日が続いたりすることで、
口腔内の環境が悪化しやすくなることもあります。
その結果、
産後に「歯がぐらぐらする」「歯がしみる」といった症状が現れ、
初めて口腔トラブルを意識する方も少なくありません。
これらは単独の原因ではなく、
ホルモン変化・生活リズムの変化・体力低下が重なって起こるケースが多く、
決して本人のケア不足だけが原因ではない点も重要です。
「知らないこと」が不安を大きくしてしまう理由
産後に歯の異変を感じたとき、
「なぜ起きているのかわからない」という状態そのものが、
不安を大きくしてしまうことがあります。
インターネットで調べると、
歯周病や歯の喪失といった強い言葉が目に入り、
「このまま歯が悪くなるのでは」と必要以上に心配してしまう方もいるでしょう。
しかし、産後の歯がぐらぐらする、歯がしみるといった症状には、
一時的なホルモン変化による歯ぐきの反応や、
生活環境の変化に伴う口腔内トラブルなど、さまざまな背景が考えられます。
原因を知らないままでは、
不安だけが先行し、受診をためらってしまうこともありますが、
正しい知識を持つことで、冷静に状況を受け止めやすくなります。
「何が起きている可能性があるのか」を理解することは、
過度な不安を減らし、必要なタイミングで歯科医師に相談するための大切な土台になります。
産後ホルモン変化と歯・歯ぐきの密接な関係
エストロゲン減少が歯ぐきに与える影響
出産後に起こる代表的な体内変化の一つが、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少です。エストロゲンは、歯ぐきの血流やコラーゲン代謝、炎症反応の調整に関与しており、歯周組織の健康維持に一定の役割を果たしています。
産後、このエストロゲンが低下すると、歯ぐきの血管が拡張しやすくなり、腫れや出血が起こりやすい状態になります。その結果、歯ぐきがむくんだように感じたり、歯を支える組織が不安定になったような感覚を覚えることがあります。
この変化は、必ずしも歯そのものに問題が生じているとは限らず、ホルモン変化による一時的な歯ぐきの反応である場合も少なくありません。産後に歯がぐらぐらする感覚を覚える背景には、こうした生理的変化が関係している可能性があります。
歯がぐらぐらする原因として考えられる状態
産後に「歯がぐらぐらする」と感じる場合、その原因は一つではありません。ホルモン変化による歯ぐきの腫れに加え、妊娠中から続く歯肉炎や歯周病が影響しているケースもあります。
妊娠・出産期は、歯ぐきが炎症を起こしやすく、歯周病が進行しやすい時期と重なります。歯を支える骨や歯周組織に炎症が及ぶと、実際に歯の動揺が生じることもあります。
一方で、歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの変化などが原因で、一時的に歯が不安定に感じられる場合もあります。産後の睡眠不足やストレスは、無意識の噛みしめを強める要因にもなります。
歯がぐらぐらする感覚があるからといって、必ずしも歯を失う状態とは限らないため、原因を正確に見極めることが重要です。
歯がしみる症状が起こりやすくなる背景
産後に歯がしみると感じる方も多く、その背景には複数の要因が関係しています。ホルモン変化により歯ぐきが下がりやすくなると、歯の根元が露出し、冷たいものや甘いものに対して刺激を感じやすくなります。
また、産後は歯みがきの時間が十分に取れず、歯垢がたまりやすくなることがあります。これにより、初期のむし歯や歯ぐきの炎症が進み、歯がしみる症状につながる場合もあります。
さらに、産後の体調変化や栄養バランスの乱れが、歯の表面を守るエナメル質や唾液の働きに影響することも指摘されています。唾液量が減ると、刺激に対する防御力が低下し、知覚過敏が起こりやすくなります。
歯がしみる症状は原因によって対応が異なるため、自己判断せず専門的な評価を受けることが安心につながります。
「産後だから仕方ない」で片づけてはいけない理由
一時的な変化と治療が必要な状態の違い
産後に歯がぐらぐらする、歯がしみるといった症状が出ると、「産後のホルモン変化だから仕方ない」「そのうち落ち着くだろう」と考えてしまう方は少なくありません。確かに、産後は女性ホルモンの急激な変動により、歯ぐきが腫れやすくなったり、刺激に敏感になったりすることがあり、これらは一時的な体の反応である場合もあります。
しかし重要なのは、その症状が本当に一時的な変化なのか、それとも治療が必要な状態なのかを見極めることです。見た目や感覚だけでは判断が難しく、歯ぐきの炎症が長引いていたり、歯を支える骨に影響が及んでいたりするケースもあります。
「産後だから」と自己判断で様子を見続けることで、本来であれば早期に対応できた問題が進行してしまう可能性も否定できません。一時的な変化と治療が必要な状態は、歯科医師による診察ではじめて区別できるため、違和感が続く場合は専門的な確認が大切です。
歯周病や知覚過敏が隠れている可能性
産後に歯がぐらぐらする、歯がしみるという症状の背景には、ホルモン変化だけでなく、歯周病や知覚過敏といった口腔トラブルが隠れていることがあります。妊娠・出産期は歯ぐきが炎症を起こしやすく、妊娠前からあった軽度の歯周病が、産後に表面化するケースも少なくありません。
歯周病は初期段階では自覚症状が乏しく、気づかないまま進行することがありますが、進むと歯を支える骨が減少し、歯の動揺につながります。また、歯ぐきが下がることで歯の根元が露出し、歯がしみる症状が現れることもあります。
一方、知覚過敏は一時的な症状である場合もありますが、むし歯や歯周病が原因となっていることもあり、単なる体調変化と区別が必要です。症状の裏に何が隠れているのかを知るためにも、専門的な診断が重要になります。
放置した場合に起こりうる将来的なリスク
産後の歯の不調を「よくあること」として放置してしまうと、将来的にさまざまなリスクが生じる可能性があります。歯周病が進行した場合、歯のぐらつきが強くなり、最終的には歯を失う原因となることもあります。また、歯がしみる症状の背景にむし歯がある場合、進行すると治療の負担が大きくなることも考えられます。
さらに、口腔内の炎症が慢性化すると、食事がしにくくなったり、セルフケアが難しくなったりと、日常生活にも影響を及ぼすことがあります。育児中の体への負担が大きい時期だからこそ、こうした問題が重なると、心身の負担が増してしまうこともあります。
産後の歯の違和感は、小さなサインに見えても、将来の口腔環境に関わる重要な兆候であることがあります。早めに専門家に相談することで、リスクを最小限に抑える選択肢が広がります。
出産後でも歯の状態は改善を目指せます
適切な診断によって見えてくる治療の選択肢
産後に「歯がぐらぐらする」「歯がしみる」と感じた場合でも、歯の状態がそのまま悪化していくとは限りません。重要なのは、現在の口腔内で何が起きているのかを、歯科医師が客観的に診断することです。
歯科医院では、歯ぐきの状態や歯周ポケットの深さ、歯の動揺度、レントゲンによる骨の状態などを総合的に確認します。これにより、ホルモン変化による一時的な歯ぐきの腫れなのか、歯周病やむし歯といった治療が必要な状態なのかを見極めることができます。
診断結果によっては、セルフケアの見直しや専門的なクリーニングで経過観察となる場合もあれば、歯周病治療や知覚過敏への対応が必要となることもあります。産後だから特別な治療しか選べないわけではなく、状態に応じた選択肢があることを知ることで、過度な不安を抱えずに済むようになります。
授乳期・育児期を考慮した治療の考え方
産後の歯科治療では、授乳期や育児期という生活背景を踏まえた配慮が欠かせません。治療内容や使用する薬剤についても、授乳への影響を考慮しながら慎重に判断されます。
歯科治療で用いられる局所麻酔や薬剤の多くは、授乳中でも問題になりにくいものが選択されますが、不安がある場合は事前に歯科医師へ相談することが大切です。また、緊急性の低い処置については、体調や育児の状況を見ながら時期を調整するという選択肢もあります。
歯がぐらぐらする、歯がしみるといった症状があっても、「授乳中だから何もできない」と諦める必要はありません。無理のない治療計画を立てることで、育児と両立しながら口腔環境の改善を目指すことが可能です。
早めの相談が結果に影響しやすい理由
産後の口腔トラブルは、早い段階で相談することで対応の幅が広がりやすいという特徴があります。歯ぐきの炎症や知覚過敏が軽度のうちであれば、負担の少ない処置や生活習慣の調整で改善が期待できるケースもあります。
一方で、「そのうち落ち着くだろう」と様子を見続けると、歯周病やむし歯が進行し、治療に時間や回数が必要になることもあります。育児中に通院の負担が増えることは、精神的にも大きな負担になりかねません。
産後は体調や生活が不安定な時期だからこそ、違和感を感じた段階で専門家に相談することが、結果的に負担を軽くすることにつながります。早めの相談は、「大きな治療を防ぐための行動」として前向きに捉えることができます。
歯科医院で行われる主な検査と確認ポイント
歯がぐらぐらする原因を見極める検査
産後に歯がぐらぐらすると感じた場合、歯科医院ではまず「なぜ動揺を感じているのか」を丁寧に確認します。歯のぐらつきには、歯ぐきの腫れによる一時的な感覚の変化から、歯周病による歯を支える組織の問題まで、さまざまな原因が考えられます。
診察では、歯を指や専用器具で軽く揺らし、実際に歯が動いているのか、どの程度の動揺があるのかを確認します。また、歯ぐきの腫れや出血の有無、噛み合わせの状態もあわせて評価されます。
産後のホルモン変化によって歯ぐきがむくみ、歯が浮いたように感じるケースもありますが、見た目だけでは判断が難しいことも少なくありません。こうした検査を通して、「経過観察でよい状態」なのか「治療が必要な状態」なのかを見極めることが、安心につながります。
歯がしみる症状に対する評価方法
歯がしみる症状がある場合、その原因が知覚過敏なのか、むし歯や歯周病によるものなのかを判断するための評価が行われます。歯科医院では、冷たい風や水を当てる検査、歯の表面や歯ぐきの状態の視診などを通じて、どの歯に、どのような刺激で症状が出るのかを確認します。
産後はホルモン変化の影響で歯ぐきが下がりやすくなり、歯の根元が露出して歯がしみるケースもありますが、初期のむし歯が原因となっている場合もあります。
症状の出方や場所、持続時間などを総合的に評価することで、セルフケアの調整で対応できる状態なのか、歯科的な処置が必要なのかを判断します。原因を明確にすることで、不安を抱えたまま過ごす必要がなくなります。
レントゲン・歯周検査でわかること
歯がぐらぐらする、歯がしみるといった症状がある場合、目に見えない部分を確認するためにレントゲン検査や歯周検査が行われることがあります。レントゲンでは、歯を支える骨の状態や、むし歯の進行状況、歯の根の周囲に異常がないかを確認できます。
歯周検査では、歯周ポケットの深さや出血の有無を調べ、歯周病の進行度を評価します。産後は歯ぐきの炎症が起こりやすいため、見た目では軽く見えても、内部では変化が起きていることもあります。
これらの検査結果をもとに、現在の状態と今後考えられるリスクを整理することで、必要以上に不安を抱かず、適切な対応を選択しやすくなります。
受診前に知っておきたいセルフチェックと注意点
自宅で確認できる歯と歯ぐきのサイン
産後に歯がぐらぐらする、歯がしみると感じたとき、受診前に自宅で確認できるポイントがあります。鏡を使って歯ぐきの色や腫れ、出血の有無を観察してみましょう。健康な歯ぐきは薄いピンク色をしていますが、赤く腫れていたり、触れると出血しやすい場合は炎症が起きている可能性があります。
また、歯を軽く噛みしめたときに違和感がないか、特定の歯だけ浮いたように感じないかも確認してみてください。冷たい水や空気で歯がしみる場合は、どの歯で、どの程度の刺激で症状が出るのかを把握しておくと、受診時の説明に役立ちます。
こうしたセルフチェックは診断に代わるものではありませんが、産後のホルモン変化による一時的な反応なのか、早めに相談した方がよい状態なのかを考えるきっかけになります。
痛みや出血がある場合の考え方
歯がぐらぐらする、歯がしみるといった症状に加えて、痛みや出血がある場合は、注意が必要です。歯みがきの際に出血が続く場合、歯ぐきに炎症が起きている可能性があり、歯周病や歯肉炎が背景にあることも考えられます。
一時的な出血であればセルフケアの見直しで改善することもありますが、痛みを伴う場合や、出血が数日続く場合は、自己判断で様子を見ることはおすすめできません。産後は体力や免疫力が低下しやすく、炎症が進みやすい時期でもあります。
「育児中だから」「産後だから」と我慢してしまう方もいますが、痛みや出血は体からの明確なサインです。無理をせず、早めに歯科医師に相談することが、結果的に負担を減らすことにつながります。
市販ケア用品を使う際の注意点
歯がしみる、歯ぐきが気になるといった症状があると、市販の知覚過敏用歯みがき剤やケア用品を試したくなる方も多いでしょう。これらは一時的に症状を和らげる助けになることがありますが、原因そのものを解決するものではありません。
特に、歯がぐらぐらする感覚がある場合、市販ケア用品だけで対応し続けると、必要な診断や治療のタイミングを逃してしまう可能性があります。また、強く磨きすぎたり、刺激の強い製品を使用すると、かえって歯ぐきや歯の表面を傷つけてしまうこともあります。
市販品を使う場合は、症状を隠すためではなく、あくまで補助的なケアとして位置づけることが大切です。改善が見られない、違和感が続くときは、自己判断に頼らず専門家に相談することが安心につながります。
産後の歯科受診でよくある不安とその実際
授乳中の治療や薬は大丈夫?
産後に歯がぐらぐらする、歯がしみると感じながらも、「授乳中に歯科治療を受けても大丈夫なのか」「使われる薬が赤ちゃんに影響しないか」と不安を抱く方は多くいらっしゃいます。結論から言うと、多くの歯科治療は授乳期でも配慮しながら行うことが可能です。
歯科で使用される局所麻酔や一般的な鎮痛薬、抗菌薬の中には、授乳中でも影響が少ないとされるものがあり、必要に応じて薬の種類や量が選択されます。また、緊急性の低い処置については、症状や生活状況を踏まえて治療時期を調整することもできます。
産後のホルモン変化による歯ぐきのトラブルや歯がしみる症状を我慢し続けるよりも、まずは授乳中であることを伝えたうえで相談することが、安心して治療を受ける第一歩になります。
赤ちゃん連れでの通院は可能?
「赤ちゃんを預けられない」「泣いてしまったら迷惑ではないか」といった理由から、歯科受診をためらう産後の方も少なくありません。実際には、産後の患者さんの来院を想定し、赤ちゃん連れでの受診に一定の配慮をしている歯科医院も多くあります。
事前に連絡を入れることで、ベビーカーでの来院が可能か、診療時間の調整ができるかなどを確認できる場合もあります。また、短時間で終わる検査や相談のみの受診から始めるという選択肢もあります。
歯がぐらぐらする、歯がしみるといった症状を放置することで不安が長引くよりも、無理のない形で相談できる方法を探すことが大切です。赤ちゃん連れでも相談は可能だと知るだけで、受診への心理的なハードルは下がります。
忙しくても通いやすい受診計画の考え方
産後は育児が最優先になり、まとまった時間を確保するのが難しい時期です。そのため、「何度も通院が必要なのでは」と不安に感じる方もいます。しかし、歯科受診は必ずしも頻繁な通院から始まるわけではありません。
まずは検査や相談を行い、現在の状態を把握したうえで、通院回数や治療内容を調整していくことが一般的です。症状が軽度であれば、セルフケアの指導や経過観察が中心となることもあります。
産後の歯がぐらぐらする、歯がしみるといった症状は、早めに確認することで治療の負担を抑えやすくなります。忙しいからこそ、最初の一歩として「今の状態を知るための受診」を計画することが、結果的に通いやすさにつながります。
よくある質問(FAQ)で疑問を整理する
産後に歯がぐらぐらするのは自然なことですか?
産後に歯がぐらぐらする感覚を覚えること自体は、決して珍しいことではありません。出産後はエストロゲンなどの女性ホルモンが急激に変化し、歯ぐきの血流や炎症反応に影響が出やすくなります。その結果、歯ぐきが腫れたり、歯を支える組織が一時的に不安定になったように感じたりすることがあります。
ただし、「自然に起こりうること」と「放置してよいこと」は同じではありません。歯がぐらぐらする感覚の背景には、ホルモン変化による一時的な反応だけでなく、歯周病や噛み合わせの問題が隠れている場合もあります。見た目や感覚だけで判断することは難しく、本当に経過観察でよい状態かどうかは、専門的な診察が必要です。
産後という時期を理由に不安を抱え込まず、「今の状態を確認する」という意味で歯科医師に相談することが、安心につながります。
歯がしみる症状は自然に治りますか?
産後に歯がしみる症状が出た場合、自然に落ち着くケースもあります。ホルモン変化による歯ぐきの一時的な後退や、産後の体調変化による知覚過敏であれば、生活リズムや口腔環境が整うにつれて症状が軽減することもあります。
しかし、すべての「歯がしみる」症状が自然に治るわけではありません。初期のむし歯や歯周病、歯の根元の露出などが原因となっている場合、放置すると症状が続いたり、悪化したりすることがあります。また、市販のケア用品で一時的にしみなくなっても、原因そのものが解決していないことも少なくありません。
歯がしみる状態が続く、範囲が広がる、痛みを伴うといった場合は、「様子を見る」よりも専門家に相談することが重要です。
ホルモン変化が落ち着けば歯の状態も戻りますか?
産後のホルモン変化が落ち着くことで、歯ぐきの腫れや違和感が改善するケースは確かにあります。エストロゲンの分泌が安定してくると、歯ぐきの血流や炎症反応も徐々に落ち着き、歯がぐらぐらする感じや歯がしみる症状が軽減することもあります。
しかし、ホルモン変化が落ち着けばすべて元通りになる、とは限りません。産後の期間に歯周病が進行していた場合や、歯ぐきの後退や骨の変化が起きている場合は、ホルモンバランスが安定しても自然回復が難しいことがあります。
そのため、「ホルモンのせいだから様子を見よう」と判断する前に、現在の歯と歯ぐきの状態を確認することが大切です。原因を正しく把握したうえで経過を見守ることで、不安を抱え続けずに済むようになります。
まとめ:不安を抱え込まず、専門家と一緒に確認を
産後の歯の不調は「体からのサイン」であること
産後に歯がぐらぐらする、歯がしみるといった症状が現れると、「育児疲れのせい」「産後だから仕方ない」と自分を納得させてしまう方は少なくありません。しかし、こうした変化は偶然起きているものではなく、ホルモン変化や体調の変化を背景とした「体からのサイン」である可能性があります。
出産後は、女性ホルモンの急激な変動や生活リズムの変化により、歯ぐきや歯を支える組織が影響を受けやすい時期です。その結果として、歯の違和感やしみる症状が表面化することがあります。これらは「よくあること」である一方、見過ごしてよいものとは限りません。
体からのサインに気づいたときに立ち止まり、状態を確認することは、将来の口腔環境を守るための大切な行動といえます。
正しい理解が不安を軽くする第一歩
産後の歯のトラブルについて正しい知識がないと、「このまま歯が悪くなるのでは」「取り返しがつかないのでは」と、必要以上に不安を抱いてしまいがちです。実際には、産後の歯がぐらぐらする、歯がしみるといった症状には、ホルモン変化による一時的な反応から、治療が必要な状態まで、さまざまな可能性があります。
重要なのは、不安を感じたときに自己判断だけで結論を出さないことです。原因や状態を正しく理解することで、「今は様子を見てよいのか」「早めに対応した方がよいのか」を冷静に判断しやすくなります。
正しい理解は、不安を完全に消すものではありませんが、不安を過度に膨らませず、現実的な選択をするための土台になります。
まずは歯科医師に相談するという選択肢
産後は、自分のことを後回しにしてしまいがちな時期です。それでも、歯の違和感やしみる症状が続く場合、「まずは相談してみる」という選択肢があることを知っておいてください。歯科受診は、必ずしもすぐに治療を始めるためのものではなく、現状を確認し、不安を整理するための場でもあります。
歯科医師に相談することで、産後のホルモン変化による影響なのか、治療が必要な状態なのかを客観的に判断することができます。その結果、「思っていたより心配いらなかった」と感じる方もいれば、「今のうちに対応できてよかった」と安心される方もいます。
不安を一人で抱え込まず、専門家と一緒に確認することが、産後の不調と向き合うための現実的で前向きな一歩になります。
監修:愛育クリニック麻布歯科ユニット
所在地〒:東京都港区南麻布5丁目6-8 総合母子保健センター愛育クリニック
電話番号☎:03-3473-8243
*監修者
愛育クリニック麻布歯科ユニット
ドクター 安達 英一
*出身大学
日本大学歯学部
*経歴
・日本大学歯学部付属歯科病院 勤務
・東京都式根島歯科診療所 勤務
・長崎県澤本歯科医院 勤務
・医療法人社団東杏会丸ビル歯科 勤務
・愛育クリニック麻布歯科ユニット 開設
・愛育幼稚園 校医
・愛育養護学校 校医
・青山一丁目麻布歯科 開設
・区立西麻布保育園 園医
*所属
・日本歯科医師会
・東京都歯科医師会
・東京都港区麻布赤坂歯科医師会
・日本歯周病学会
・日本小児歯科学会
・日本歯科審美学会
・日本口腔インプラント学会
カテゴリー:コラム 投稿日:2026年2月20日