東京都港区の小児歯科専門外来(こどもの歯医者さん) |愛育クリニック麻布歯科ユニット

小児歯科コラム

子どもの歯ぐきに白いできもの…乳歯の神経まで虫歯が達しているサイン

 

 

「痛くないみたいだから様子見」を続けていませんか

 

 

歯ぐきの白いふくらみに気づいた日の戸惑い

子どもの歯ぐきに白いにきびのようなふくらみが見えたとき、それは口の中で何らかの炎症が続いていることを示す形の変化と考えられます。仕上げみがきのときや、あくびをした瞬間にふと見えて、思わず指で触ってみた、という方も多いのではないでしょうか。

特に気づかれやすいのが、奥歯の外側の歯ぐき、頬に近い側の少し盛り上がった部分です。白っぽい、あるいは黄色みを帯びた小さな粒のように見え、周囲の歯ぐきがうっすら赤らんでいることもあります。

この時点でご家庭から見て確認できるのは、どの歯の根元に近い位置にあるか、大きさが数日で変わるか、押したときに子どもが反応するかといった点に限られます。原因が虫歯なのか粘膜の傷なのかは見た目だけでは判別しにくく、判断に迷ったまま日が過ぎてしまうケースが少なくありません。

 

痛がらないから大丈夫、とは限らない理由

痛みの有無は、口の中で起きている変化の程度をそのまま反映するものではありません。乳歯の虫歯が神経まで達し、その神経が働きを失った歯では、痛みを感じる仕組みそのものが失われます。むしろ「以前は痛がっていたのに、最近は何も言わなくなった」という経過のほうが注意深く見たい状況です。

膿がたまった状態でも、歯ぐきに出口ができて内側の圧力が逃げると、圧迫による痛みは和らぐことが知られています。腫れが落ち着いたように見えても、根の先の感染そのものが消えたわけではありません。

加えて、子どもは違和感を言葉にするのが苦手です。「なんとなくその側で噛まない」「硬いものを避ける」といった行動の変化が唯一のサインになることもあります。食事のときにどちら側で噛んでいるかを見ておくと、痛みを訴えない段階での手がかりになる場合があります。

 

夏休みのうちに確かめておきたいこと

白いできものが数日続いている、あるいは消えたと思ったらまた同じ場所に現れる場合は、時間に余裕のある時期に原因を確かめておくという考え方が現実的です。学期中は平日の受診時間を確保しづらく、痛みが出てから慌てて駆け込む形になりがちだからです。

まとまった休みの期間であれば、診査から治療方針の説明、必要な処置までを落ち着いた気持ちで進めやすくなります。子どもにとっても、痛みのない状態で歯科医院に慣れるほうが、その後の通院の負担は軽くなる傾向があります。

顔まで腫れてきた、発熱がある、食事や睡眠に影響が出ているといった場合は、時期を待たずに受診を検討したい状況です。港区南麻布の愛育クリニック麻布歯科ユニットでは小児歯科に対応しており、乳歯の虫歯や歯ぐきの変化についてのご相談もお受けしています。原因がはっきりすれば、様子を見てよいのか処置が要るのかという迷いから解放されます。

 

 

 

子どもの歯ぐきにできる白いできものの正体

 

 

膿の出口「瘻孔(フィステル)」という状態

お子さんの歯ぐきにできた白いふくらみの正体として、まず考えられるのが瘻孔(フィステル)です。これは歯の根の先にたまった膿が、逃げ道を求めて歯ぐきの表面に穴を開け、出口をつくった状態を指します。虫歯が神経まで達し、根の先で細菌が増えた結果として現れるサインという見方ができます。

見た目は白または薄い黄色の小さな膨らみで、数ミリ程度のものが多く、奥歯の頬側や歯の根元近くに現れやすい傾向があります。膿がたまっては出ていくため、内部の圧力が高まりにくく、お子さん自身は違和感すら訴えないことも珍しくありません。

「にきびのようなものができているだけ」と受け止めてしまう保護者の方は少なくありませんが、瘻孔は歯の内部で起きている感染が体の外に現れたものです。表面の膨らみを消毒しても、感染源である歯の内部が変わらない限り、同じ場所に繰り返し現れます。

 

にきびのように見えて、つぶれたり戻ったりする動き

瘻孔の特徴的な動きは、「ふくらむ→つぶれる→また現れる」という繰り返しです。膿が一定量たまると膨らみが目立ち、歯みがきや食事の刺激で破れて中身が出ると、いったん小さくなって消えたように見えます。この時期に「治った」と判断してしまうケースが多くあります。

膿が抜けると圧力が下がるため、一時的に楽になったように見えるのも見逃しやすい理由です。数日から数週間の間隔で同じ場所に再び白い膨らみが出てくるようであれば、根の先の感染が続いていると考えられます。つぶれたときに独特のにおいを感じたり、口の中に苦い味が広がったと子どもが話すこともあります。

ご家庭で観察するときは、膨らみを指で押したりつぶしたりせず、位置と大きさを覚えておくことをおすすめしています。どの歯の付近か、いつからあるかが分かると、受診時の診断の手がかりになります。

 

白いできものが痛みを伴いにくい仕組み

痛みが出にくい最大の理由は、膿の出口ができていることで内部の圧力が逃げているからです。歯の痛みは、感染で生じた膿が閉じ込められて周囲の組織を圧迫することで強く感じられます。瘻孔という排出路が確保されている間は、その圧が高まらず、ズキズキとした痛みが表面化しにくくなります。

もう一つの理由は、虫歯が神経まで進んだ段階で、歯の中の神経がすでに機能を失っている場合があることです。痛みを感じ取る組織そのものが働かなくなるため、感染が根の先へ広がっていても、お子さんは何も訴えないという状況が生まれます。「痛くないから軽い」という判断が当てはまらないのは、この仕組みによるものです。

逆に、疲れや発熱で体の抵抗力が下がったタイミングで、急に腫れや痛みが出ることがあります。夏休みや旅行中など、受診しにくい時期に症状が動くこともあるため、落ち着いているうちに原因を確かめておくと選択肢が広がります。

 

 

 

 

口内炎と膿の出口、見分け方のポイント

 

 

できる場所と形の違いに注目する

おうちで見分ける手がかりとして最も分かりやすいのは、「どこにできているか」です。口内炎は頬の内側、唇の裏、舌のふち、歯ぐきの表面など、粘膜のどこにでも現れます。対して膿の出口である瘻孔は、原因となっている歯の根の先に近い歯ぐき、つまり特定の1本の歯のすぐ横に限って現れるという特徴があります。

形にも違いが出ます。一般的な口内炎は中央が白っぽくくぼみ、周囲が赤い輪のように縁取られた「へこんだ傷」に見えることが多いものです。一方、瘻孔は歯ぐきからぷくっと盛り上がった小さなふくらみとして触れます。にきびのように少し立体感があり、指や舌で押すと弾力を感じることもあります。

お子さんの奥歯の歯ぐきで、明らかに1本の歯に沿った位置に丸いふくらみがある場合は、粘膜の傷ではなく歯の内部からのサインを疑う視点を持っておくと、判断がぶれにくくなります。

 

治り方の違い──2週間が一つの目安

時間の経過を見るなら、2週間という区切りが実用的な目安になります。ごく一般的な口内炎は、多くの場合1〜2週間ほどで自然に小さくなり、跡を残さず消えていきます。痛みも数日でピークを越え、そこから軽くなっていくのが通常の経過です。

瘻孔は経過がまったく違います。中の膿が出きると一度しぼんで見えなくなり、「治った」と感じることがあります。ところが原因の歯そのものは変わっていないため、数日から数週間でまた同じ場所にふくらみが戻ってきます。この「消えたり出たり」を繰り返す点が、口内炎との決定的な違いと言えるでしょう。

「先週はなかったのに、また同じところにできている」という記憶があれば、それは自然に治っているのではなく、排膿と再貯留のサイクルが回っている可能性があります。写真を日付とともに残しておくと、受診時に経過を正確に伝えられます。

 

おうちで見分けきれないときの考え方

見た目だけで確定できないのは当然で、歯科医師でも歯ぐきの表面を見ただけでは断定しません。原因が歯の内部にあるのか粘膜の炎症なのかは、その歯の虫歯の有無、詰め物の状態、打診への反応、そしてレントゲンで根の先の骨がどう写るかを合わせて初めて判断できるからです。ご家庭で迷った時点で、判断材料が足りていないと考えて差し支えありません。

「痛がっていないのに受診してよいのか」とためらう保護者の方は少なくありません。むしろ痛みがない段階のほうが、お子さんが治療に対して身構えにくく、処置を進めやすい面があります。夏休みのように通院日程を組みやすい時期は、こうした確認に向いたタイミングです。

当院では小児歯科において、レントゲンを含めた検査で原因を確かめたうえで、乳歯と後から生えてくる永久歯の両方を見据えた説明を行っています。受診の結果、単なる口内炎だと分かればそれも大切な情報になります。

 

 

 

乳歯の虫歯が神経まで達すると何が起きるか

 

 

神経が death した歯で進む静かな感染

歯の神経が虫歯菌の感染で機能を失うと、痛みという警告のしくみそのものが働かなくなります。お子さんが「痛くない」と言うのは治ったからではなく、痛みを感じ取る組織が失われた結果であることがあります。歯ぐきにできものがあるのに本人はけろりとしている、という状況はここから生まれます。

神経が入っていた根管(歯の根の中を通る細い管)は、血液が流れ込まなくなった空間になります。体の免疫細胞も届きにくく、入り込んだ細菌にとっては居心地のよい場所へと変わってしまうのが特徴です。この状態では、うがいや歯みがきで表面を清潔にしても、内部の細菌には届きません。

つまり症状の有無と病気の進み具合は必ずしも一致しません。見た目が黒くない歯、詰め物をした歯の下でも、内部では感染が続いていることがあると知っておくと、判断の目安が変わってきます。

 

歯の根の先に膿がたまるまでの流れ

膿は、根管の中で増えた細菌と毒素が根の先端にある小さな穴から周囲へ漏れ出し、体がそれを食い止めようとする反応の結果として生じます。根の先の骨の中で炎症が起こり、免疫細胞と細菌の攻防で生じた老廃物がたまっていく、という流れです。

骨の内部に圧が高まると、体は逃げ道をつくろうとします。骨と歯ぐきの薄い部分が溶けて通り道ができ、表面に顔を出したものが瘻孔です。白いふくらみとして見えている部分は、あくまで出口であって病気の本体ではありません。原因は、その真下にある歯の根の先にあります。

この流れは数日で完成するものではなく、静かに時間をかけて進みます。膿の出口ができた時点で、根の周囲の骨はすでにある程度影響を受けていると考えられ、見た目のふくらみの大きさだけで深刻さを測ることは難しいと言えるでしょう。

 

乳歯は神経までの距離が短いという特徴

乳歯は永久歯と比べてエナメル質や象牙質が薄く、内部の神経の部屋が相対的に大きいため、虫歯が神経に届くまでの距離がもともと短い構造をしています。同じ大きさの穴でも、乳歯では神経への影響が早く現れやすいという見方ができます。

加えて乳歯の奥歯は溝が複雑で、歯と歯の間も接触面が広いため、虫歯が横方向に広がりやすい傾向があります。仕上げみがきをしていても、歯の間の虫歯は表からは見えにくく、気づいたときには内側で広がっていたというケースは小児歯科では珍しくありません。

「まだ生え変わる歯だから」と考える保護者の方もいらっしゃいますが、6歳前後の奥歯は生え変わりまで数年残ります。その間、噛む機能と場所の確保という役割を担うため、神経まで達した虫歯をどう扱うかは、単に痛みを取るかどうかとは別の判断が求められます。

 

 

 

 

歯科医が受診時に確認している診断の軸

 

 

見た目だけでなくレントゲンで確認する範囲

歯ぐきの白いできものが膿の出口かどうかは、外から見た形だけでは判断しきれず、レントゲン撮影で歯の根の先や骨の状態を確認して初めて輪郭がつかめます。瘻孔がある場合、その原因となっている歯の根の先端付近で、骨が黒く抜けたように写ることがあります。

撮影で見ているのは、原因の歯がどれか、根の先の炎症がどこまで広がっているか、そして真下に控えている永久歯の芽との位置関係です。乳歯の根の下には後から生えてくる永久歯が眠っているため、炎症の範囲がその近くまで及んでいないかという視点が欠かせません。

当院ではCT・レントゲンを備えており、必要に応じて立体的に骨の状態を把握することもあります。お子さんの被曝を心配される方は多いですが、当院ではデジタル式の装置を用いており、撮影の必要性と方法については事前にご説明したうえで進めています。

 

乳歯を残すか抜くかを分ける条件

乳歯を残せるかどうかは、根がどの程度残っているか、周囲の骨がどれだけ保たれているか、そして炎症を抑えきれる見込みがあるかという3点で判断されるのが一般的です。神経が感染していても、根の形が保たれ骨の破壊が限定的であれば、感染した神経を取り除いて残す方向で検討されます。

反対に、歯の根が広く溶けている場合や、膿の広がりが後続の永久歯に及びそうな場合には、残すことがかえって永久歯の環境を乱すという見方ができます。抜歯を選ぶときも、抜いた後に隣の歯が倒れ込んで生えるスペースが狭くならないよう、必要に応じてすき間を保つ装置を検討することがあります。

「乳歯だからいずれ抜けるので抜いてしまえばよい」と考えられがちですが、実際には生え変わりまでの期間が長いほど、残す価値も高まります。同じ見た目のできものでも、年齢によって判断が変わる理由はここにあります。

 

全身状態・年齢・生え変わり時期の見極め

診断では歯そのものだけでなく、お子さんの年齢と生え変わりの時期、体調や既往歴も判断材料になります。6歳前後は乳歯の奥歯がまだ数年働く時期であり、3歳前後であればさらに長く使う必要があるため、同じ状態でも保存を優先する判断に傾くことがあります。

発熱を伴っている、頬が腫れている、リンパ節が腫れているといった全身のサインがある場合は、感染が広がっている可能性を考えて処置の優先順位が変わります。持病があるお子さんや服薬中のお子さんでは、事前に情報をうかがったうえで進め方を組み立てます。

受診の場で保護者の方に確認させていただくのは、いつから膨らみに気づいたか、腫れが大きくなったり小さくなったりしているか、食べる速さや噛む側に変化がないかといった日常の観察です。痛みを訴えないお子さんほど、こうした生活面の変化が診断の手がかりになります。

 

 

 

 

放置した場合に永久歯へ及ぶ影響

 

 

後続永久歯の形や色に出る変化

乳歯の根の先で炎症が長く続くと、そのすぐ下で育っている永久歯の表面に、白や黄褐色の斑点、部分的なくぼみといった変化が現れることがあります。乳歯の根の先と永久歯のたまごは、数ミリという近さで隣り合っているためです。

永久歯のエナメル質(歯の表面を覆う硬い層)は、生えてくる何年も前から少しずつ作られていきます。その形成の途中で近くに炎症や膿が及ぶと、エナメル質がうまく成熟せず、質の弱い部分を残したまま生えてくる場合があります。こうした歯はターナー歯と呼ばれています。

見た目の問題だけにとどまらない点も知っておきたいところです。エナメル質が薄い部分は虫歯にもなりやすく、生えたばかりの永久歯が短期間で進行してしまうこともあります。前歯や小臼歯に出た場合、お子さんが鏡を見て気にする年齢になってから相談に来られるケースも珍しくありません。

 

生えてくる位置や時期がずれる可能性

根の先の炎症は、永久歯が生えてくるタイミングや方向にも影響することがあります。周囲の骨が炎症で変化すると、永久歯が予定より早く出てきたり、逆に出方が遅れたりする動きが見られる場合があります。

もう一つ見落としがちなのが、乳歯を早い時期に失った場合の影響です。乳歯は永久歯が出てくる場所を確保する役割も担っています。奥歯の乳歯が早くなくなると、その後ろの歯が前方へ倒れ込むように動き、永久歯の出るすき間が狭くなることがあります。結果として、生える向きがずれたり、歯並びに影響したりする流れにつながります。

「乳歯はどうせ抜けるから」と考える方は少なくありませんが、乳歯には次の歯への道しるべという役目があります。やむを得ず早期に抜歯した場合には、すき間を保つための装置を検討することもあり、その判断には生え変わりの時期の見極めが関わってきます。

 

早めに介入することで守れるもの

原因を早い段階で確かめておくことで、永久歯への影響の範囲を小さく抑えられる可能性が広がります。感染源となっている乳歯の処置が済めば、根の先に膿がたまり続ける状態そのものが止まり、下で育つ永久歯が炎症にさらされる期間を短くできるからです。

治療の選択肢が増えるという点も見逃せません。早い時期であれば、乳歯の神経を処置して歯そのものを残し、生え変わりまで使い続けられる場合があります。時間が経つほど、歯を残す条件は厳しくなる傾向にあります。夏休みのように通院の予定を立てやすい期間は、この判断を先送りしないための良いタイミングと言えるでしょう。

当院では小児歯科に対応しており、レントゲンで乳歯の根の状態と、その下にある永久歯の育ち具合を合わせて確認しています。痛みがないうちに状態を把握しておけば、お子さんにとっても負担の少ない範囲で対応を進めやすくなります。

 

 

 

 

乳歯の神経の治療で選ばれる方法と進め方

 

 

感染した神経を取り除く処置の流れ

歯ぐきの白いできものの原因が乳歯の神経の感染にある場合、治療の中心になるのは、根管の中に残った感染源を取り除いて清掃し、薬剤で満たす処置です。虫歯で崩れた部分を除去して根管の入り口を確認し、細い器具で内部を少しずつ整えていきます。膿の通り道になっていた瘻孔は、根の中の感染が落ち着くにつれて縮小していくことが多いとされています。

乳歯の根は、後から生えてくる永久歯を避けるように曲がっていたり、生え変わりに向けて溶けはじめていたりします。永久歯とは根の形も治療の考え方も異なるため、成長段階に合わせた材料や処置の選択が必要になります。

清掃と消毒は1回で完結するとは限らず、内部の状態を確かめながら数回に分けて進めるのが一般的です。腫れやにおいが強い時期には、まず膿を出す処置を優先して、痛みや腫れを落ち着かせてから根の治療に移ることもあります。

 

治療後の被せ物とかみ合わせの回復

神経の処置を終えた乳歯は、そのままにせず被せ物などで補強し、かむ機能を回復させる必要があります。神経を取った歯は水分を含みにくくなり、もろさが増すためです。奥歯の乳歯は、食べ物をすりつぶす役割に加えて、永久歯が生えてくるまでの場所を保つ役目も担っています。

大きく崩れた歯に詰め物だけで対応すると、残った歯の壁が欠けて再び感染しやすくなる場合があります。歯の残り具合や虫歯の広がりを見ながら、詰め物で足りるのか、全体を覆う形にするのかを判断していきます。

治療後にかみ合わせの高さが合っていないと、子どもは無意識に反対側だけでかむようになります。この偏りが続くと、清掃が行き届かない側に汚れがたまりやすくなるため、調整後に実際にかんでもらい、左右のバランスを確認しながら仕上げます。

 

痛みへの配慮と子どもが怖がらない工夫

「うちの子は痛がりだから治療に耐えられるだろうか」という不安は、多くの保護者の方が抱えています。当院では可能な限り痛みを抑えた治療に力を入れており、麻酔の際にはまず表面麻酔を使い、体温に近い状態に温めた麻酔液を、33ゲージの細い注射針と電動注入器で少量ずつ一定の速度で注入します。麻酔が効くまで時間を置いてから処置に入ることで、処置中の不快感を減らす配慮をしています。

子どもにとっては、痛み以上に「何をされるか分からない」ことが恐怖につながります。使う器具を見せて説明し、その日にできる範囲から少しずつ進めるという段取りが、次回の受診への抵抗感を左右します。

当院には愛育譲りの小児歯科で経験を積んだスタッフがおり、キッズスペース付きの診療室も備えています。診療室に入ることに慣れる時間を確保しながら、お子さんのペースに合わせて進めていきます。

 

 

 

 

「歯医者を嫌がる子でも大丈夫?」よくある疑問

 

 

泣いて口を開けない子はどう進める?

泣いてしまうお子さんの場合、初回から治療に入らず、器具に触れる・椅子に座る・お口を見せるといった段階を分けて慣らしていく進め方が一般的です。診療台の上で何をされるか分からない状況が、子どもにとっては最も不安の強い場面になります。先に道具を見せて「これで風を当ててみるね」と実際に体験してもらうだけでも、身構え方が変わることがあります。

3歳と6歳では反応も違い、下のお子さんはお母さんの膝の上でお口を見せるところから始めることもあります。上のお子さんには、鏡で自分の歯ぐきのふくらみを見てもらい、何を治すのかを本人の言葉で理解してもらう方法が取られることもあります。

当院では愛育譲りの小児歯科で経験を積んだスタッフが対応し、キッズスペース付きの診療室も備えています。歯ぐきのできものは急激に痛み出す性質のものではないため、緊急性が高くない限り、慣らす時間を確保しながら進める余地があるという点は、保護者の方にとって一つの安心材料になるでしょう。

 

通院回数と夏休み中に終わるかの見通し

乳歯の神経の治療は、1回で完結するものではなく、複数回の通院が前提になります。感染した神経を取り除き、根の中を清掃して薬を詰め、被せ物でかみ合わせを整えるまで、いくつかの段階を踏む流れです。膿の量や根の状態、お子さんがどこまで処置に協力できるかによって、必要な回数は変わってきます。</p >

「夏休み中に終わりますか」という質問は、保護者の方から寄せられやすい内容です。診断がついた段階で、あと何回くらいかかりそうかの見通しをお伝えすることは可能ですが、途中で回数が増減することもあります。学校が始まると平日の通院枠を確保しにくくなるため、休み期間の前半に検査と診断を済ませておくと、その後の予定が組みやすくなります。

当院は土曜日も診療しており、平日の来院が難しいご家庭にも通っていただけます。まずは原因を確定させることが最初の区切りになり、その時点で治療の全体像が見えてきます。

 

治療費や保険適用が読めないという不安

乳歯の虫歯治療や神経の処置、それに伴うレントゲン検査は、多くの場合が公的医療保険の対象となる診療です。加えて自治体の子ども医療費助成を利用できるため、実際のご負担は保護者の方が想像されているより軽く収まることが少なくありません。フッ素塗布やシーラントといった予防処置については、内容や時期によって取り扱いが異なります。

費用が読めないまま受診するのは気が進まない、という気持ちは自然なものです。当院ではカウンセリングルームで検査結果をお見せしながら、必要な処置とその範囲をご説明したうえで進めていきます。

矯正のように保険適用外となる領域が関わってくる場合は、事前に区別してお伝えします。歯ぐきのできものの原因を調べる段階、つまり視診とレントゲンによる確認までは保険診療の範囲で行えるため、「まず原因を知る」ためのハードルはそれほど高くないと言えるでしょう。

 

 

 

 

小児歯科を選ぶときに見ておきたい視点

 

 

子どもの診療経験と説明の丁寧さ

歯ぐきのできもののように原因の見立てが分かれる症状では、子どもの診療に慣れた歯科医院を選ぶかどうかで、初回の進み方が変わってきます。乳歯の神経の状態を判断するには、子どもが口を開けていられる短い時間のなかで、必要な確認を手際よく終える必要があります。子ども特有の反応に慣れているかどうかが、ここで差として出やすい部分です。

説明の丁寧さも見ておきたい点になります。「なぜこの白いふくらみができたのか」「今日は何をして、次回は何をするのか」を保護者の方が理解できる言葉で伝えてもらえると、自宅での判断に迷いが減ります。子ども本人にも、これから触る場所を先に伝えてくれるかどうかを見てみてください。

当院は愛育クリニック内の歯科部門として、小児歯科での経験を積んだスタッフが対応しています。港区南麻布で親子で通える環境を整えており、お子さんが不安を口に出せるまで待つ時間も診療の一部と考えています。

 

精密検査と再発時の対応がそろっているか

膿の出口である瘻孔(フィステル)の診断には、見た目の観察だけでなく画像による確認が欠かせません。歯の根の先で何が起きているか、後続の永久歯がどの位置にあるかは、外から見ただけでは分からないためです。当院ではCT・レントゲンを備え、デジタルエックス線写真撮影装置による撮影を行っています。

もう一つ確認しておきたいのが、いったん治療した後にふくらみが再び現れたときの対応です。乳歯の神経の治療は、根管の形が複雑だったり、生え変わりが近かったりすると、経過のなかで方針を見直すことがあります。処置後も同じ医院で経過を追える体制かどうかが、後の判断のしやすさに関わってきます。

口の中の状態によっては、より専門的な処置が望ましい場合もあります。当院では必要に応じて専門的な口腔外科の病院へご紹介する方針をとっており、院内で完結させることを前提にはしていません。

 

治療後の予防まで続けて通えるか

神経の治療が終わった時点を「ゴール」と考えないことが、次の虫歯を防ぐ分かれ目になります。一本の乳歯が神経まで進むほど虫歯になった背景には、歯みがきの届きにくい部位や食習慣、歯の並びなど、その子に固有の要因が隠れていることが多いためです。治療した歯だけを直しても、隣の歯で同じことが起こる可能性は残ります。

当院ではフッ素塗布やシーラント、ブラッシング指導、クリーニング、咬み合わせの確認といった予防処置に対応しています。生え変わりの時期は歯並びの変化が続くため、噛み合わせを定期的に見ていくことで、必要に応じて小児矯正の相談につなげることもできます。

6歳と3歳のように年齢差のあるお子さんを連れての通院は、それだけで負担が大きいという声もうかがいます。家族単位で同じ日に診られる医院を選んでおくと、通院そのものが続けやすくなり、次の異変にも早く気づける状態を保てます。

 

 

 

白いできものを放置せず、原因を確かめませんか

 

 

この記事で押さえておきたい判断の軸

子どもの歯ぐきにできた白いできものを見たとき、判断の軸になるのは「痛みの有無」ではなく「どこにできているか」と「どれくらい続いているか」です。歯と歯ぐきの境目より根元側、頬に近い位置にぽつんと膨らんでいる場合、乳歯の虫歯が神経まで達して根の先に膿がたまり、その出口として瘻孔(フィステル)ができている可能性が考えられます。

口内炎は白っぽい中央部と赤い縁を持ち、粘膜のやわらかい部分にできて、2週間ほどで自然に消えていくのが一般的です。膨らみが一度つぶれても数日後にまた同じ場所に戻ってくる場合は、体の内側から膿が押し出されている状態と考えられます。

痛みがないことは、治りかけを意味するわけではありません。神経が働かなくなった歯では痛みのサインが出にくく、感染だけが静かに続いていることがあります。この見分けは見た目だけでは限界があり、レントゲンで根の先や後続永久歯の位置を確認して初めて判断できる部分が残ります。

 

子どもと家族に寄り添う当院の診療姿勢

愛育クリニック麻布歯科ユニットは、「全ての患者さんを“家族”と想う」という考え方を診療の土台に置いています。港区南麻布という土地柄、ご家族単位で通ってくださる方が多く、お子さんの乳歯の相談から保護者の方ご自身の治療まで、同じ場所で続けて診られる体制を整えてきました。

小児歯科では、愛育で経験を積んだスタッフが対応にあたります。フッ素塗布やシーラント、ブラッシング指導、咬み合わせの確認といった予防的な関わりから、虫歯が神経まで及んだ場合の処置まで、お子さんの年齢と生え変わりの時期を踏まえて方針をご提案しています。

痛みへの配慮も重ねてきました。表面麻酔を用い、麻酔液を体温に近い温度に温め、細い注射針と電動注入器でゆっくり注入し、効くまでの時間を十分に置いてから処置に入ります。歯科医院を怖がるお子さんにとって、最初の一回の印象がその後の通院を左右するためです。

 

気になる症状があるときの最初の一歩

最初の一歩は、治療を決めることではなく「その白いできものが何なのかを確かめること」で十分です。診断の結果、口内炎に近いものであれば経過を見るという判断になりますし、根の先の感染であれば、乳歯を残す方向で進められるのか、後続永久歯への影響を優先して別の対応をとるのかを、レントゲン所見をもとにご説明します。

夏休みのように予定を組みやすい時期は、お子さんが歯科医院の雰囲気に慣れるうえでも都合の良いタイミングと言えるでしょう。痛みが出てからの受診では、初回から処置が必要になり、お子さんの緊張も強くなりがちです。

お子さんの歯ぐきのできものが気になる方、痛がらないので受診の判断に迷っている方は、一度ご相談ください。当院では小児歯科での診察と検査に対応しており、現在の状態と今後の見通しを一緒に整理していきます。

 

 

監修:愛育クリニック麻布歯科ユニット
所在地〒:東京都港区南麻布5丁目6-8 総合母子保健センター愛育クリニック
電話番号☎:03-3473-8243

*監修者
愛育クリニック麻布歯科ユニット
ドクター 安達 英一

*出身大学
日本大学歯学部

*経歴
日本大学歯学部付属歯科病院 勤務
東京都式根島歯科診療所 勤務
長崎県澤本歯科医院 勤務
医療法人社団東杏会丸ビル歯科 勤務
愛育クリニック麻布歯科ユニット 開設
愛育幼稚園 校医
愛育養護学校 校医
・青山一丁目麻布歯科 開設
区立西麻布保育園 園医

*所属
日本歯科医師会
東京都歯科医師会
東京都港区麻布赤坂歯科医師会
日本歯周病学会
日本小児歯科学会
日本歯科審美学会
日本口腔インプラント学会

カテゴリー:小児歯科コラム  投稿日:2026年8月25日

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